文庫屋「大関」/がらん堂
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さよならばあちゃん 1/3
先日、文庫屋「大関」の94歳になる御隠居さんが亡くなりました。今回はその時、90歳年下の曾孫に当たる、私の息子が体験した事を彼との会話をもとに、彼の目を通して書いてみました。
呼称、表記について
*我が家では、曾祖母のことを「ばあちゃん」祖母のことを「ば〜ば」と呼び、ばあちゃんと一緒に暮らしていた春ちゃんは、祖母の末娘に あたります。
*息子は、お寺の経営する幼稚園に通い、仏様(お釈迦様)のことを、ののさま、拝む事(お経も)をなむなむすると言っています。 
さよならばあちゃん

その日ぼくは、お熱があって幼稚園をお休みした。ぼくが朝おきる前に、ばあちゃんは、おなかが痛くて入院した。
きのうまでいつもの場所に、座っていたのに・・・今は座っていない。
ぼくも3歳のとき入院したので、ばあちゃんも早く退院できるといいのに。つぎの日ばあちゃんは、ぼくがおきた時、死んでいた。
3歳のとき飼っていたモモンガとカニが死んだけど、ばあちゃんが死んだのは
はじめてだ。ばあちゃんは、死んだままでおふとんに寝ていた。
お顔に白いきれがかけてあった。
ぼくは、とうさんとお線香を立てて、手を合わせて、なむなむした。とうさんは、「ばあちゃんは死んで、ののさまのいるところへ行くんだよ。」
といった。ぼくは、そこは天国だと思った。ばあちゃんが行ってしまったら、一緒にすんでいる春ちゃんは1人ぼっちだ。
夜、ぼくのお熱は、下がった。そのつぎの日、ばあちゃんは死んだまま、まだおふとんに寝ていた。
モモンガとカニは死んだらお庭に埋めたのに・・・?「きょうは、ばあちゃんが木の箱に入るんだよ」と、とうさんがおしえてくれた。
かあさんは、「その箱には、お顔が見えるように、窓がついているのよ」
とおしえてくれた。
ぼくは、その箱を早く見たいとおもった。
それから、ばあちゃんが入る箱に一緒に入れる絵を描いた。
サインペンでおふとんに寝ているばあちゃんと、お花と、ろうそくと
おせんこうとおだんごを描いた。もう1枚は、とうさんと一緒にチョウチョを
とりにいった公園の絵を描いた。この絵を天国にもっていくのかな?
ばあちゃんは、忘れていっちゃうかもしれない・・・・ばあちゃんは、いろいろなことをいつも忘れている。
ぼくの名前も3歳のころからおぼえていない。
とうさんは「年をとると、いろいろなことを忘れるんだ」とおしえてくれた。
ばあちゃんは、94歳だ・・・ぼくは20までしか数えられない。
 
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その弐 いずれがあやめかかきつばた?
その参 柔道、そろばん、御前 ???
その四 まじめな格子と縞のはなし 前編
その伍 まじめな格子と縞のはなし 後編
その六 荒磯の魚には、ヒゲがある?
その七 亀甲は霊的な紋様なのです。
その八 紫陽花の意外な謎?
その九 フルーツポンチのポンチって?
その十 さよならばあちゃん [1/3]
その十一 さよならばあちゃん [2/3]
その一二 さよならばあちゃん [3/3]
その十三 おでんの世界 [1/2]
その十四 おでんの世界 [2/2]
その十五 まめ御飯(グリーンピースが嫌い!)[1/2]
その十六 まめ御飯(グリーンピースが嫌い!)[2/2]
 
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